ノエビアグループは、生姜配合飲料の摂取が冷え性に有効であることを見出しました。【2014年5月30日〜6月1日 「第68回日本栄養・食糧学会大会」(北海道)にて発表】
ノエビアグループは、健常成人女性を対象とした試験において、生姜配合飲料が冷え性の緩和に有効である可能性を見出しました。この研究成果を、2014年5月30日〜6月1日に北海道で行われる「第68回日本栄養・食糧学会大会」にて発表いたします。
常盤薬品工業株式会社では、この研究結果を今後の商品開発に応用していく予定です。
【研究背景と目的】
現代の生活においては、過度の冷房、運動不足、睡眠不足、ストレスなど、冷えを引き起こす要因が多く見受けられます。特に、基礎代謝や血液循環を担う筋肉量が少ない女性は、男性より冷えに悩みやすいと言われています。
これまで漢方医学では経験的に冷え性に対して生姜が利用されてきました。生姜は発汗促進、血行促進の他、咳止め、解熱や消化器系の機能亢進、腹痛や便秘の解消など、様々な効能が知られています。しかしながら、ヒトが生姜を摂取した際の有用性に関する研究は多くはありませんでした。そこで、冷え性に悩む女性に対する生姜配合飲料の影響を検証しました。
【研究方法】
健常成人女性15名を、@生姜配合飲料摂取群(8名)とA非摂取群(7名)に分けました。そして、単回摂取試験と4週間の継続摂取試験の2つを実施しました。
(1)単回摂取による冷水負荷試験
温度と湿度がコントロールされた部屋に入室後、左足を撮影部位としたサーモグラフィー(用語説明*1)と、VAS(Visual Analogue Scale)法(用語説明*2)を実施し、冷えの状態と体感を評価しました。
その後、@摂取群は生姜配合飲料50mlを、A非摂取群は水50mlを摂取しました。摂取後、両足を15℃の水に1分間浸漬しました。冷水負荷後、30分後まで5分間おきに測定を実施しました。冷水負荷前後を比較し、単回摂取の効果を評価しました。
(2)4週間継続摂取による冷水負荷試験
単回摂取試験翌日より4週間、@摂取群は生姜配合飲料50mlを毎日就寝前に摂取しました。その後、単回摂取試験と同様の冷水負荷試験を実施しました。単回摂取(0週目とする)の試験結果と比較し、継続摂取の効果を評価しました。
【研究成果】
(1)単回摂取の冷水負荷試験の比較
左足を撮影部位としたサーモグラフィー(末梢皮膚温度)(用語説明*1)、およびVAS法(用語説明*2)(冷えの体感)では、@とAの群間に有意な差はありませんでしたが、末梢皮膚温度、冷えの体感ともに、@摂取群で早く回復する傾向が見られました(図1)。
(2)単回摂取試験結果(0週目)と4週継続摂取後の冷水負荷試験の比較
末梢皮膚温度については、@とAの群間で有意な差は見られませんでしたが、@摂取群は0週目よりも有意に上昇しました。また、冷えの体感については@摂取群は0週目およびA非摂取群と比べ、有意な改善が見られました(図2)(図3)。
■用語説明■
*1 サーモグラフィー
対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出し、皮膚表面の温度に変換して、温度分布を画像表示する装置。
*2 VAS (Visual Analogue Scale )法
0mmを「全く冷えていない」状態、100mmを「これまで経験した中で一番冷えている」状態として、現在の冷えが100mmの直線上のどの位置にあるかを示す方法。
■図参照■
図1 生姜配合飲料を単回摂取後、冷水負荷してから30分間の末梢皮膚温度と体感の変化
(1)サーモグラフィー(末梢皮膚温度) (2)VAS法(体感)
(○生姜摂取、△非摂取) (○生姜摂取、△非摂取)
(○生姜摂取、△非摂取) (○生姜摂取、△非摂取)
図2 生姜配合飲料を4週間継続摂取後、冷水負荷してから30分後の末梢皮膚温度と体感の変化
(1)サーモグラフィー(末梢皮膚温度) (2)VAS法(体感)
(○・●生姜摂取、△・▲非摂取) (○・●生姜摂取、△・▲非摂取)
(○・●生姜摂取、△・▲非摂取) (○・●生姜摂取、△・▲非摂取)
P<0.05 *、0.05≦P<0.1+と示した
図3 4週間継続摂取群のサーモグラフィーの変化例
【本件についてのお問い合わせ先】
常盤薬品工業株式会社
広報・宣伝部 広報グループ 相木・橋口
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