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2008年11月05日 10:32アトピー性皮膚炎の重症度の指標となるTARCの新しい測定方法を開発!
ノエビアグループの常盤薬品工業株式会社(本社:東京都港区)は、島根大学医学部 森田 栄伸教授との共同研究によって、テープストリッピング※1を用いた、アトピー性皮膚炎の重症度の指標となるTARC(下記参照)の新しい測定法を開発しました。 これまでの血清※2を用いたELISA法※3によるTARC値は全身症状としてのアトピー性皮膚炎の病態の指標となりますが、本測定法を用いることにより、皮膚局所TARC値を測定することが可能となり、外用薬や保湿剤の評価に用いることが可能となります。
※1:粘着テープを皮膚表面に接着し、角層最外層を剥離する方法です。
※2:血液から細胞成分、線維素原、凝固因子を除いたもので、糖、脂質、アミノ酸、タンパク質等を含みます。
※3:サンプル中に含まれる微量の目的物質を、酵素標識した抗体または抗原を用い、抗原抗体反応を利用して定量的に検出する方法です。
◆TARCについて◆
TARC (thymus and activation-regulated chemokine)は、特定の白血球を遊走させるケモカイン群(白血球走化性因子)の一つで、71個のアミノ酸より構成されるタンパク質です。アトピー性皮膚炎では、様々な刺激によって表皮角化細胞等から、TARC産生が誘導または増強されることが知られています。このTARCがTh2細胞を病変局所に引き寄せてアレルギー反応を亢進させることで、アトピー性皮膚炎の病態形成に関与し、症状を増悪させると考えられています。血清中のTARC値は、アトピー性皮膚炎の重症度を反映して推移することが確認されており、アトピー性皮膚炎の重症度評価の1つとして、臨床的に利用されています。
今回の研究成果は2008年11月7日(金)〜9日(日)、『第38回 日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会学術大会』にて発表いたします。