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2012年12月10日 10:00 プレスリリース研究・リサーチ・CSR
【動物実験における動物福祉への配慮】シルクワーム(カイコ)により、薬物の毒性評価が可能であることを見出しました

【概 要】

ノエビアグループの常盤薬品工業株式会社(東京都中央区、社長:中野 正隆)は、東京大学大学院薬学系研究科(関水和久 教授)・株式会社ゲノム創薬研究所との共同研究で、シルクワームを用いた動物実験代替法の開発を行っております。
動物実験は動物福祉への配慮(3Rs*1)が国際原則となっており、特に脊椎動物を用いた実験に対して代替法が求められております。
この度、従来行われてきた、げっ歯類を用いた急性毒性試験の代替法として、無脊椎動物であるシルクワーム(カイコ)*2を用いた試験法を開発し、薬物の毒性評価が可能であることを見出しました。

この研究成果を、2012年12月7日(金)〜9日(日)、『日本動物実験代替法学会 第25回大会』(東京)にて発表いたしました。

<演題名>
「Silkworm (カイコ)を用いた急性経口毒性試験代替法の開発」
「Silkworm (カイコ)を用いた急性経口毒性試験代替法の投与方法の検討」
「薬剤性組織傷害の動物モデルとしてのカイコの有用性」


【試験方法】

化学成分の毒性を表す指標としては、成分を投与し、動物の半数が死亡する薬物濃度(LD50値)が用いられます。
また、この試験に用いられる動物としてはげっ歯類(ラット)が主となっています。
代替法の開発にあたっては、30成分以上についてシルクワームのLD50値を算出し、ラットのLD50値(文献値)と比較した結果、シルクワームLD50値とラットLD50値は非常に高い相関性を示し、シルクワームを用いた試験においても化学成分の毒性評価が可能であることが明らかになりました。

 

<ラットLD50値とシルクワームLD50値の相関性>


*1   3Rs : Refinement(動物が受ける苦痛軽減), Reduction(使用動物数の削減), Replacement(他手段への置換)
*2   シルクワーム(カイコ): 養蚕分野において日本で長い歴史がある昆虫(無脊椎動物).飼育しやすい



    


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