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2010年04月05日 11:00【産官学との共同研究】黒糖から炎症を抑える成分を見出しました
ノエビアグループの常盤薬品工業株式会社(本社:東京都港区、社長:中野 正隆)は、国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部(内野 正 主任研究官、 西村 哲治(てつじ) 部長)と琉球大学農学部亜熱帯生物資源科学科(和田 浩二 教授)、東北大学大学院農学研究科機能分子解析学分野(宮澤 陽夫(てるお) 教授)、株式会社ノエビア(本社:東京都中央区、社長:大倉 俊(たかし))と、医薬品・食品・化粧品に利用される黒糖の有効性を検証するための共同研究をおこなっております。
このたび、この共同研究において、黒糖に皮膚の炎症を軽減する作用が期待できる成分を見出しました。
今回の研究成果は2010年3月28日(日)〜30日(火)、『日本薬学会第130年会』(岡山)にて発表いたしました。
<演題名>
「酸化ストレスによって誘導されるIL-1α放出に及ぼす黒糖由来成分の影響」
社団法人日本薬学会『日本薬学会第130年会』(岡山) http://nenkai.pharm.or.jp/130/web/
■結果
皮膚に紫外線があたると活性酸素が発生し、その酸化ストレスにより炎症が誘発されます。今回、3次元培養ヒト皮膚モデル※1を用いて、黒糖の成分の抗炎症作用を評価しました。黒糖から抽出した成分(メチルフェニルグルコース類※2)を加えた3次元培養ヒト皮膚モデルに酸化ストレスを加えたところ、炎症性サイトカイン※3の発生が有意に抑制されました。これにより、黒糖に含まれる特定の成分に、皮膚の炎症を軽減する働きが期待できることが明らかになりました。この研究成果を今後の医薬品・食品・化粧品の商品開発に応用してまいります。
■用語説明■
※1 3次元培養ヒト皮膚モデル・・・ヒトの皮膚と近い構造をもつように表皮及び真皮細胞から作られた実験用の皮膚モデル
※2 メチルフェニルグルコース類・・・黒糖に含まれる抗酸化作用をもつフェノール性配糖体物質
※3 炎症性サイトカイン・・・体の中で炎症を誘導する内因性タンパク質