HOME > ニューストップ > 2009年エントリー > 表皮角層中セリンプロテアーゼがアトピー性皮膚炎の病態形成に関与していることを見出しました
2009年04月23日 11:00表皮角層中セリンプロテアーゼがアトピー性皮膚炎の病態形成に関与していることを見出しました
ノエビアグループの常盤薬品工業株式会社(本社:東京都港区)は、島根大学医学部 森田 栄伸教授との共同研究によって、テープストリッピング※1により採取した表皮角層に存在する、様々な生理活性物質の定量や活性の測定に取り組んでいます。
表皮の角化過程においてはセリンプロテアーゼ※2が重要な役割を果たしていることが知られており、アトピー性皮膚炎では角層のバリア障害が病態形成に大きく関与すると考えられています。
今回、アトピー性皮膚炎患者の皮膚からテープストリッピングにより表皮角層に存在するセリンプロテアーゼであるプラスミン※3とトリプシン※4を採取し、活性測定をおこないました。
その結果、アトピー性皮膚炎の重症度が高いほどプラスミン活性は高く、またトリプシン活性は低くなることが確認され、アトピー性皮膚炎の表皮角層中セリンプロテアーゼの機能異常が病態形成に関与していることを見出しました。
また、オリゴマリンR※5などを配合した保湿剤を使用したところ、プラスミン活性の低下およびトリプシン活性が有意に向上することが確認されました。
今回の研究成果は2009年4月24日(金)〜4月26日(日)『第108回 日本皮膚科学総会』に発表いたします。
※1:粘着テープを皮膚表面に接着し、角層最外層を剥離する方法
※2:活性中心にセリン残基があるプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)
※3:セリンプロテアーゼの一種、肌あれに関与する酵素
※4:セリンプロテアーゼの一種、皮膚のターンオーバーに関わる、デスモゾームを消化する酵素
※5:海洋ミネラル成分