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Home 桂南天さんに学ぶ!【"無"から"無限"の世界を生み出す】 桂南天さんに学ぶ!【"無"から"無限"の世界を生み出す】 4

2012.04

祝・襲名 桂こごろう改め桂南天さんに学ぶ!“無”から“無限”の世界を生み出す 伝統芸能でありながら「まったく同じものはない」。常に変化させて、お客さんを惹きつける“極意”から、“商売道具”のお手入れ法まで。

きっと明日、生の「落語」に触れたくなる・・・その理由がここに!

“「距離」が離れれば離れるほどおもしろい。お客さんとは近ければ近いほど「無限」の世界を生み出せる。

-落語になじみのない人へ、落語の楽しみ方を教えてください。

ドレスコードもないし、歌舞伎より安いし(笑)、作法なんて「携帯電話を切ってください」ぐらいだし、難しいことなんて一切ないんですけどね。日本語さえわかれば(笑)

落語とは、“無”のところに、どんな世界もつくりだせること、とんでいけること。
同じお笑いでも漫才やコントと違うのは、登場人物AさんとBさんがいたとして、「昨日僕が電車に乗ってる時、イスに座った目の前におじいさんが座りましてな・・・」と演者の2人がAとBになって身近な出来事を話している世界が漫才だとすると、「嘉永という年間、幕末が近づいてまいりまして世の中が少ぉし乱れてまいります。その頃大阪の西町奉行として赴任してまいりました佐々木信濃守(しなののかみ)が・・・」というように時をがーーーっとさかのぼって、お客さんを江戸時代まで連れていくんです。
話してるのはわたし桂南天だけど、お客さんの頭の中では南天ではなくおじいさんだったり、町奉行だったり、侍だったりする。
漫才やコントは、演者とお客さんとの時間的・物理的距離が近いのに対して、距離をどこまでも離すことができるのが落語。落語はとんでいける先が“無限”なんです。

漫才やコントに比べて、ナレーションの部分が少ないからお客さんがわれに返る時間も少ない。
だからこそ、噺家は技術的なうまさ(テクニック)ではなく、持ち前の“センス”が問われる。同じ物語でも、噺家の“センス”で違うおもしろさになっていく。
いろんな暑さや寒さ、褒められたときの喜び方や怒り方、どれひとつとっても全く同じ表現はありえない。これを見分ける楽しさ(この噺家のこれおもしろい!)を見つけることも落語の醍醐味やと思います。

-落語はテレビやCDなどでも触れることができますが、まずはそこからでも?

今「3D映画」ってありますけど、落語の世界って当初から「3D」だったと言えるかもしれないですね。お客さんが想像している世界は、紙芝居のように平面的ではないんです。

だから生で観て聴いていただくのが一番です。テレビよりもCDよりも、生が絶対一番。伝わりきらないというか。テレビはカット割りがあるでしょう。
お客さんの笑っているところを撮ったり、カットが変わるたびにイメージがとぎれてしまう。じゃあワンカットでずっと撮っていればいいかというとそれも違う。

お客さんは自分の頭の中で、目で、ズームしたりパーンしたりしてるんですよ。
例えばこう、キセルを詰めるでしょう。それを口にあてるとき、お客さんはそこ(口元)に注目してその周り(例えば僕の着物のたもとなど)は見ていない。勝手に目がズームしているんです。

登場人物の表情ひとつとっても、怒ってみせながら内心喜んでいることを表す時のちょっとしたしぐさや空気とか、生でないと伝わらない。本当は大きなホールより、100名くらいの小さなホールの方がよかったりする。生の落語がいい理由はそこにあります。生の落語を感じていただいてから、テレビやCD、DVDで楽しまれるのはいいと思うんですよね。
「あぁ、あれをやってはんねんな」という楽しみ方ができる。

最近危惧しているのは、テレビは字幕流行りですが、音までが字幕で出たりするでしょう?あれではお客さんが常にレシーブ(受身)状態で、考えることができない。
これがお客さんと落語との関係にどう響くのか気になります。

-最後に読者の方へメッセージをお願いします!

師匠や先輩から受け継いだものに、足したり引いたりして変化させていく落語の魅力は、お料理と一緒です。もともとの家庭の味があるところにお嫁さんがきて、味を受け継ぎながらそこに新しい素材だったり調味料だったりを入れて新しい味をつくっていくというか。そこでものをいうのが“センス”。その人の“センス”で料理も落語も変わるんです。

落語はとっても「おもしろいもの」です。
それでいて害はない。「心にも体にもいいもの」です。
ぜひとも落語を聴きに来てください!僕の落語を聴いてください。


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